「中学校内の居場所サミット2024」に行ってきました
9月16日、豊島区立西池袋中学校で行われた「中学校内の居場所サミット2024」に行ってきました。
西池袋中学校の「にしまるーむ」は、こども食堂の取り組みを全国に広げた立役者として有名な栗林知絵子さんが代表の認定NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワークが主宰する校内の「子どもの居場所」です。
週2~3回、学校や教室に行きづらい生徒対象の1部(13:30~15:00)と、放課後誰でも立ち寄れる2部(15:30~17:45)の2部制で開所しているそうです。
楽しそうに集う生徒の様子、「教室以外の居場所が校内にあることは素晴らしい」という保護者の声、「ここがあることで登校できるようになった生徒がいる」「生徒の拠り所となっている」という教員の声などが紹介されました。
西池袋中と同様NPO法人が学校内で「居場所」を運営する足立区立花保中学校、地域のボランティアが実行委員会形式で放課後カフェを運営している西東京市立柳沢中学校、学校が様々な立場の人の協力を得て「第3の居場所」を運営している板橋区立板橋第三中学校――発表者の熱のこもった実例紹介が続きました。
葛飾区ではコロナ禍以前にはNPO法人による「学習支援」と「居場所」の機能を兼ね備えた校内無料学習塾の取り組みが中学校の数校であったのですが、この取り組みに区の予算がついたとたん、すべて営利企業にとって代わられてしまいました。
区の「不登校対策プロジェクト」では全中学校に設置する方針の「校内適応教室」を今年度から「校内サポートルーム」と名称変更しましたが、「教室に入ることができない児童・生徒の学級復帰を支援」することを目標としている施策です。
教育機会確保法では「学校以外の場での多様で適切な学習活動の重要性に鑑み、個々の休養の必要性を踏まえ、不登校児童生徒等に対する情報の提供等の支援に必要な措置」を自治体に求めていますし、2019年の文科省ガイドラインでは「不登校児童生徒への支援は『学校に登校する』という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す」と明記しています。
学校・教室に行きづらい子どもにとって必要なのは、まずは安心して休養できる「居場所」であり、充分に休んでエネルギーが回復したら、進路・自立に向かって歩き出すための「支援」です。
葛飾の中学生にとって必要な「居場所」と「支援」を、どう作っていけば良いのか…。
この日、一緒に参加した教育委員会の目々澤幸雄先生、親と子の自己肯定感支援室Oliveの白尾恵美さんと「作戦会議だね」と言い合いながら帰途につきました。